アメリカでは、次の政権へと変わる準備が着々と進んでいます。
私も同じように個人レベルで次の新しい時代への準備のために、この4年間で学んだことを振り返っておきたくなりました。
あれは忘れもしない、2016年11月4日、日本時間では、5日の昼間。
今の政権のトップに立つ人が決まった瞬間は、今だ脳裏に焼きついています。
私はその時、キッチンに立ちながら、その瞬間をipadの画面から流れてくるニュースで見ていました。
目の前で何が起こっているのか、何だか夢を見ているような感覚がしました。
でも、それは現実であることもわかっていました。
すぐに、どこからともなく不安な気持ちが押し寄せてきて、主人の胸に飛び込んで、”Oh, no…”と泣いてしまったことを思い出します。
後で、多くの人が同じような反応で、その時の瞬間がトラウマのようになっていると聞きました。
どうして、その人がトップに立つことがそんなにショックなのか。
どうして、自国のことでもないアメリカのこれからの行方をそんなにも心配するのか。
その時すぐには出てこなかった答えについて、この4年間、ずっとその自分に向き合ってきました。
彼の存在にこんなにも反応のするのは、自分の価値観とは全く違うものがそこにあるからだと、そのことについて何度もジャーナリングで向き合いました。
そして、心理学でいうところの投影・シャドウという方面からも反応している部分が大きいと、そこもジャーナリングで、分析を続けてきました。
そして、私は、アメリカの大統領という立場を聖職のように感じていて、そこにあのような人が着任していることで、アメリカの建国以来、多くの人の努力でずっと守り続けてきたその神聖な場が穢されていくという感覚が私の中にあるということもわかりました。
ただ、自国でもないのにそこまで思う自分の感覚の源は今だに謎のままです。
やはりどんなこともそうですが、ネガティブだと思うことの中にも、必ずそれがもたらす「ギフト」があります。
彼があのような公の立場にいてくれたおかげで、このように随分と自分のことについて、何が大切かを考える時間をもらいました。アメリカという国の政治やその仕組みについても、随分と学ぶ機会が増え、それは自国日本の政治や社会の仕組みをより理解し、考えるきっかけにもつながりました。
陰謀説を使って、それを真実のようにストーリー展開していく彼の姿を見て、そこで取り上げられている様々な陰謀説についても、自らきちんと調べるようにもなりました。
結果、陰謀説については、何が真実で、何が真実でないかを証明するのは難しいと結論づけていますが、だからこそ、私は何を信じるのかを、自分に問い続けることができました。
次の新しい政権への手続きが進む中で、私の中にも心の余裕ができたのか、今まで以上に落ち着いてこれまでのことを振り返ることができています。
そして、もうこの4年間を過去のもとして、自分の後ろに置いて、そこで学んだ大切なことだけを持って、次の新しい時代を創り出す準備をするために、身も心も「禊ぎたい」という気持ちを持って、この記事を書きたい思いました。
私がこれからの未来に持っていく学びは、この2つの言葉に集約されています。
1つ目は、レイチェル・マドーというアメリカのニュースキャスターが彼女の番組で繰り返し使っているこの言葉です:
Watch what they do, not what they say.
(彼らが言っていることでなく、やっていることに注意しなさい)
私は、この言葉通り、何を信じるのかは、その人が言っていることでなく、やっているその行為を見て、判断していくことを決めました。
これは自分にも然りで、自分の人生で、自分が教えていること、伝えていることを、私自身がどれだけ実践しているのかを問い続けて、生きています。
それともう1つ、ケネディ大統領が就任演説の時に言ったこの言葉です:
Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.
(国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。)
アメリカという国のトップに、自分が尊敬できる人が来ることで安心し、その人が何かをしてくれることを期待していた自分をこの4年間のことから気づき、その自分を反省しました。
これは、国が…というだけでなく、家族という小さな単位でも、相手が何をしてくれるのかでなく、私は何ができるのか?を問い続けて、行動していきたいと思っています。
これらのことを胸に、これからの新しい年、これらの新しい時代を生きています。
とにかく、もうこの4年間に起こったことを水に流し、大切なものだけを持って前に進んでいきます。
ザリッチ宏枝