14年もの歳月を一緒に過ごした愛犬がこの世を旅立ってから、もう2年半の月日が経ちますが、今だに彼女のことを思い出さない日はなく、今でも毎日のように側にいてくれている感覚がします。
彼女の体の温もりも、匂いも、何もかも、すぐに感覚の中で再現できます。
彼女の肉体はもうないけれど、彼女の存在は、私の中から全く色あせずに残っている。
これって、「命」は有限だけど、「存在」は無限なんだなということを証明してくれているように思います。

これは、ミネソタ州の北部にあるバウンダリー・ウォーター・カヌー・エリア・ウィルダネス(BWCAW)という場所でキャンピングをしていた時に撮った写真。
木によじ登るリスを捕まえようと、こうしてじっとその機会を狙っている姿です。彼女は、この日は2時間くらい、ずっとこの体制でリスを待っていました。
目的が何であれ(笑)、一途な姿は美しいと感じた瞬間でした。
この日に肌で感じた気温や風、香り、そしてこうして彼女を見つめて感動している私。
その全てを今でも鮮明に思い出せることは、本当に幸せです。
昨日あるポッドキャストを聞いていた時、ジョンレノンが亡くなった後のオノ・ヨーコへのインタビューで、「あなたはいつもジョンとお互いの95%というくらいの時間を共にしてきましたが、今は寂しくはないですか?」と聞かれ、「Now I am with him, 100%(今は100%彼と共にいます)」と答えたオノ・ヨーコの言葉。
とても、とても共感します。
「存在」は、なくなるどころか、大きくもなっていくものだと、そしてぐんぐん近くなっていくものだと、私も実感しています。
ザリッチ宏枝